バリ島ホテルの興味深い特徴が「料金が全てを語っている」ということ。50ドルのホテルと100ドルのホテルが異なるのは当然として、50ドルのホテルと55ドルのホテルでは、その5ドルの差が、そのホテルのサービスや居心地にはっきりと現れているのです。
そういった意味で、このペニーダビュー。古くからサヌールに建つホテルで、ちょっとバリ島の観光ガイドを読んだ人ならその名前を聞いたこともあるでしょう。地図で見るとオン・ザ・ビーチだし、場所的にもサヌールのタンブリンガン通りでアクセスも便利そう。なのに、なんで値段がそんなに高くないの・・・?
レセプションは大通りからかなり奥まったところにあります。これだけ内側に入れば車の音とは無縁で、反対に強く静かなバリの日差しの音が聞こえてきます。ロビーの雰囲気のとおり、大味なチェックイン手続を済ませると、どこからともなく、「ウェルカム・トゥ・ペニーダビュー!」のかけ声と共に、男性スタッフがスダップマラムで作られたレイを首にかけてくれました。今時、到着ゲストに花輪をかけるというサービス自体が大味だと思うんだけど、最近人に花をもらうこともめったになくなった寂しい盛りのマーニにとって悪い気はしません。
 
 
部屋まで案内される道すがら、敷地の広さにまず驚きます。先述の通り、レセプションでさえかなり内陸なのに、そこからビーチまではさらに距離があるんです。細長い敷地の真ん中を、コンクリむきだしの大味な仕上げをした歩道が貫き、その両側にコテージが点在します。
コテージは平屋なので(ルンブンタイプのほうは2階建て)、両側に部屋が立ち並んでいても、圧迫感を感じません。ほとんどの部屋の前には、テラスがあり、そこでくつろげばもちろん前を通る人に見られるのだけど、そんな心配を感じないほど、のんびりとした雰囲気な造りになっています。
 
 
寸分のすきもないホテルのサービスは気持ちよい反面、いささか落ち着きがなくなる。その点、「多少の甘さは許してねタイプ」のホテルは、ゲストの側が気負う必要がなくなるんで、逆にのんびりと落ち着けます。まさにこのタイプがペニーダビューで、この大味加減が気にならない人にはおすすめのホテル。逆に言うと、好き嫌いがはっきりわかれるのがペニーダの特徴と言えるようです。
マーニが泊まった部屋は一番下のカテゴリーのスーペリア・コテージ(予約先によってはゲスト・ルームと呼ぶ)。部屋に入って、ふーん普通だね、と思って、よくよくみてみたら、なんとこの部屋、ベッド・ルームとリビングが完全に独立しているスイートタイプではないですか!。スイートって、すぐに気がつかれないところが、さすがペニーダ。やっぱり肩の力抜いたホテルは違います。
 
 
 
のんびりとしたホテルであるものの、部屋はとてもきちんとしています。飲料水がポットで出てくるあたり昔のホテルだなあ、と感じさせるけど、清掃もベッドメイクもきちんとしており、この値段にしては申し分ありません。バス・マットが、千葉の民宿で出るような、いいかげん使い回された泣きたくなるよなマットだけど、毎日交換されるんで、これはこれでペニーダです。なお、上位カテゴリーの部屋は独立タイプのテラスがあるものの、ベッド・ルーム自体が暗いので、だったら一番下のクラスがおすすめです。
  
ペニーダの良いところは大きなプールが2つあること。そのうち海から離れたほうのプールには、ユニークなウォーク・オン・ボード・タイプの幅広のデッキ・スペースがあり、ここでのんびりするのは気持ちよい。海側のプールには、個別のサン・デッキが点在します。
 
 
なんといってもうれしいのが、オン・ザ・ビーチのレストランです。味も見た目も普通だけど、やっぱり海を真正面に見ながら食事やお茶ができるのは、これぞビーチ・リゾート。我サヌールに来たれり、と幸せをかみしめます。
チェックインのときに、ウェルカム・ドリンク1杯無料券をもらったのを思い出し、夜の10時にレストランに行ったら、レストランは23時まで営業とのこと。そこで、ウェルカム・ドリンクと、ラクサで作ったホームメイドケーキを注文し、暗がりで海は見えないものの、しばしサヌール・ビーチを耳で感じます。
朝食は同じレストランでいただきます。マーニが宿泊したときには、ビュッフェではなく、個別にオーダーをとる方式。ゲストの数もそれほど多くなく、静かなレストランに、ときおり近くの犬が紛れ込んだりして、またレストランの前の遊歩道を、朝の散歩をする人が通り、サヌールに来たことを感じます。
12月上旬には、レストラン、レセプションに大味なクリスマス・ツリーを飾っていました。そもそもホテルに何かを求める人が泊まるホテルではく、ホテルと共に、どこまで緊張の糸をほぐすことができるか、ホテルに負けず劣らずのんびりとした休暇を送りたい人が泊まるホテルです。
南国の海辺のホテルに飾られたツリーは、なんとも不思議な感じだけど、チェック・アウトの支払では、クレジット・カードもちゃんと使え、のんびりできた喜びを胸に、迎えに来た車に乗り込んだのでした。
 
 

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